ジュリー・アンドリュース著「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」岩谷VS青柳 翻訳読み比べ

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今日は「子供の日」ということで子供の頃に読んだ思い出深い本、ジュリー・アンドリュースの「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」を紹介します。ジュリー・アンドリュースといえば映画「サウンド・オブ・ミュージック」のマリア役で有名ですよね。わたしはマリアより「メリー・ポピンズ」の時のジュリーが大好きですなんですけど・・それはさておき、わたしが11歳の頃にこの本が出版されまして当時ジュリー本人が出演しているコマーシャルも流れていたんですよね。“この本には挿絵がありません。あなたのイマジネーションでワンドゥードルを見てください”みたいなことも言われてまして「どんな本なんだろう?この本読んでみたいなぁ」と、CMを見るたびに思っていました。
でも、その頃の我が家は大人の諸事情により父子家庭だったもので、なかなか「本がほしい」って父に言えなかったんです。
ところがほどなくして(これまた大人の諸事情なんですけどね)いなくなった母が帰ってくることになり・・・
数年間さみしい思いをさせたお詫びに何か欲しい物を買ってくれるということになりまして・・・、迷わずこの本を
選んだというわけです。複雑な大人の諸事情絡めつつ長い前フリですみません・・・笑


偉大なワンドゥードル最後の一ぴき装丁もとても美しい
うふふ。これが欲しくて仕方がなかった本「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」です。今見ても装丁が美しい。
年がバレますが39年前に買ってもらったいわくつき?の本です。まぁ、でもいろいろな思いもありほんとうに大切に
してきた本です。キズや汚れもほとんどありません。

翻訳をしたのは翻訳家、詩人であり作詞家でもある岩谷時子さんです。「愛の讃歌」や「恋のバカンス」など数多くの昭和の名曲を生みました。現在、岩谷時子さんが翻訳した「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」は絶版になっています。児童書にしては厚めの本、しかも挿絵がいっさいない(子供にしてはかなりツライ?)けど、とにかく夢中で読みましたねぇ。

お話しは博士とポター家の子供たちベン、トム、リィンディの三兄弟が想像上の動物ワンドゥードルに会いに行く冒険ファンタジー。ワンドゥードルに会えるまでのハラハラドキドキわくわくがどれだけ子供の心を踊らせたことか・・・。
青柳祐美子翻訳「偉大なワンドゥードル最後の一ぴき」
当時同じように心を踊らせた子供がいかに多かったか、というのがこれでわかると思うのですが、絶版となったこの本の復刻希望が多くて2008年に出版社、翻訳を変えて「偉大なワンドゥードル最後の一匹」として復刻版が出版されました。あらたに翻訳を手がけたたのはNHK連続テレビ小説「こころ」などを手がけた脚本家・青柳祐美子さん(ドラマを見ていないのでよく知らない)青柳さん自身「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」が大好きで子供の頃に本がすり切れるくらい読んだそうです。
そこで、翻訳でどれだけ違うのか読み比べてみました。それぞれの翻訳でどんな感じに表現されているのでしょう・・・少し紹介しますね。


「偉大なワンドゥードルさいごの一ぴき」翻訳読み比べ
・動物園での会話1
岩谷訳
「トラを見たいな」さっそくトム(トーマス)がいった。
「わたしは、ろばとあひる」と、リンディがさけんだ。
青柳訳
「おれ、トラが見たい」さっそくトムが大声でいった。
「わたしは、ロバとアヒル!」リンディが、張り合う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・動物園の会話2
岩谷訳
きりんが、長い首を柵の上からつきだして、リンディの顔すれすれに近づけてきたとき、ちょうど、リンディは大きな口をあけてドーナッツを、ほおぼろうとしているところだった。きりんとリンディは一瞬、真剣な顔でにらみあった。気をとりなおしたリィンディは、大まじめでゆっくり「きりんさん、だーめ」と、いうと、ドーナッツを持ったまま、きりんの首がとどかないところまでベンチの上を移動していった。
青柳訳
キリンが金網の囲いから長い首をのぞかせて、リンディの顔すれすれまで近づいたのは、まさしく、大きな口を開けてリンディがドーナツをほおばろうとしたときだった。一瞬、キリンとリンディは真剣に見つめ合い、そして、リンディが大真面目な顔で言った。
「ダメ!」
リンディはドーナツをしっかり持って、キリンの首が届かないところまで、ベンチの上を移動した。


いかがですか?同じシーンでも翻訳で微妙に変わりますよね。出版された時代、翻訳された両者の育った年代というのもあるのでしょうか。末っ子リンディをとっていうと岩谷さんのリンディは末っ子らしい甘えん坊さんの性格が良く出ていて、青柳さんのリンディはやや勝気な面が出ているかな?って感じがしました。いずれにしても岩谷さん、青柳さんの言葉にはそれぞれ味わいがあり同じチョコレートでもビターとミルクがあるような・・・そんなたのしみ方ができました。おふたりの翻訳で想像力で歩く王国への旅、子供の心を持ってみなさんも出かけてみませんか?

うずたまの勝手な評価は

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