わたしを知る。平野啓一郎【私とは何か「個人」から「分人」へ】

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自分を好きかと聞かれて「好き」と即答できる人は多くないと思う。もちろんわたしは即答できない。自分の性格がキライなのか?ほんとうは好きだけど日本人的な建前上好きと言えないのか?それすらわからない。たぶん自分の性格を自分でもよく理解できていないのだと思う。
考えてみれば自分を知るってどうするの?漠然としすぎてわからないのが本音。
よく「自分探しの旅」なんていうけど、旅に出てみないと自分ってわからないものなのか?わたしは旅に出たら楽しくてへらへらしちゃってとてもムリだ。
平野啓一郎「私とは何か個人から分人へ」

自分を知るという行為そのものが敬遠されがちだが、自分を知ってこそ他の者とスムーズに関われるのだということが本著でわかる。人間関係が複雑になればなるほど「自分」という個人が変わっていくのだと。たとえば、ひとりの時の自分、家族と一緒の時の自分、会社での自分・・など、相手によってまた相手との距離によっても“わたし”という個人はどんどん分裂していく。自分が分裂するというイメージは「自分がない」「流されやすい」「調子がいい」「ブレている」ということとは違い、コミュニケーションの数だけ自分の中に多面性があって当然ということだ。さらに本著では「個人」から「分人」へと視点や捉え方を変えるだけで、人間関係の煩わしさや自分を知る手がかりをわかりやすく教えてくれる。実はこの本を読んだのは4年くらい前で、もともと平野啓一郎が大好きということもあるけど、ちょうど職場の人間関係で悩んでいた頃で外面のいい自分にも嫌気がさしていた。だからよけいに「個人から分人」がストンと腹落ちできた。
おかげでずいぶん気持ちが楽になり、常に「分人」という見方を持つことで人間関係の煩わしさも減ったと思う。平野啓一郎自身の体験を持ってうまれた本著は実に軽快で読みやすい点も最大のおススメポイント!ここ大事。この本を読めばたぶん旅に出なくても自分を見つけることはできると思うし、冒頭の質問にも「好き!」と即答できるようになると思う。

うずたまの勝手な評価は

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